HOME 疲労をもたらすさまざまな病気 その疲労、「うつ病」のサインかも?

その疲労、「うつ病」のサインかも?

慢性的な疲労に悩んでいる人の中には、実はうつ病にかかっている人も少なくありません。特に働き盛りで責任も重い中年世代の男性は、うつ病にかかる確率が高いため気をつけましょう。

うつ病の症状は、気分の落ち込みだけではない!

うつ病の症状 うつ病の症状には、大きく分けて「精神症状」と「身体症状」があります。 精神症状としては、気分・意欲の低下や興味の喪失などが代表的です。特にこれまで好きだったことにもやる気を示さなくなるのが大きな特徴となっています。

一方、身体症状としては食欲不振や不眠、全身倦怠感や疲労感などが挙げられます。人によっては精神症状よりも先に、こういった体の不調が現れることも珍しくありません。しかし内科に駆け込んでも特に病気が見つからないため、「ストレス」の一言で片づけられてしまうこともあります。

ですから「何となく体がだるい」「疲れがなかなかとれない」という人は、念のためにうつ病の可能性を疑い、心療内科や精神科に相談してみることも大切です。

質の悪い眠りは、うつ病の代表的な症状

うつ病では、特に不眠に悩まされる人がたくさんいます。なかなか寝付けない「入眠障害」や、途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、やたらと朝早くに起きてしまう「早朝覚醒」などが代表的です。 実際、うつ病の患者さんに睡眠の検査をおこなうと、眠りの深いノンレム睡眠が短い代わりに、眠りの浅いレム睡眠が多く見られるようです。

そうなるともちろん体の疲れは十分にとれませんから、なおさら心身ともに鬱々としてしまいます。不眠に悩む人は、医師の診察を受け、睡眠導入剤などを適切に使うことも大切なのです。

その他、食欲不振や、それにともなう体重の低下などもうつ病によく見られる症状です。また人によっては、逆に過食と体重増加が起こることもあります。 いずれにせよ、これまでとは明らかに異なる様子が見られた場合、うつ病の可能性を疑ってみたほうがいいでしょう。

うつ病による自殺は、特に中年男性に多い!

うつ病は、最悪の場合、自殺に至ることもあるのが一番怖いところです。もともとうつ病にかかる人には真面目で責任感が強い人が多いといわれますので、思うように体が動かない自分を責める傾向が見られます。 そんな罪悪感が募って、自殺という選択をしてしまうことがあるのです。

特に仕事熱心な中年男性は、うつ病にかかる可能性が高いことで知られています。また自殺率も、40~50歳の男性がもっとも高くなっているのです。この世代の男性は、職場で上司と部下との板挟みになりやすいほか、家庭でも住宅ローンや子どもの教育費を稼ぐために「逃げ出せない状況」に置かれがちですので、ストレスフルになりやすいことが一因と考えられます。

さらに昨今の雇用不安によって、リストラの危機にも常にさらされているため、中年男性の抱えるプレッシャーは非常に大きいといえるでしょう。

社会復帰のためにも、うつ病は早めの治療が肝心!

ちなみにうつ病の患者数は、女性のほうが多いというデータがあるのですが、これは「女性のほうが受診しているから」という理由もあります。男性は調子が悪くても、なかなか病院に行きたがらない人が多いため、実際の男性の患者数はデータで見る以上に多いと推測されるのです。

しかし他の病気と同様、うつ病も早期発見・早期治療開始が大切です。うつ病は「心の風邪」とよくいわれますが、まさに風邪と同じで、こじらせればこじらせるほど重症化しやすく、治りも遅くなってしまいます。

軽度であれば、まだ仕事を続けながら薬物療法で改善が期待できることも多いでしょう。抗うつ薬は年々進化を遂げており、以前よりも吐き気などの副作用が少なく、効果の高いものが増えてきました。

またそれでは改善が望めないほど重症化している場合は、思いきって休養をとることも必要です。特に日本の働き盛りの男性にとって、仕事を休むことは「社会からの離脱」のように感じてしまうのですが、むしろこれ以上こじらせたほうが社会復帰は難しくなってしまいます。 ですから思いきって有給や休業制度を活用し、まずは心身の調子を整えることが先決です。

「最近ちょっとおかしい…?」周りの人の気づきが大事!

ちなみに中年男性のうつ病は、周りの人がそのサインを見逃さないようにすることも大切です。 たとえば職場なら、「以前より仕事のスピードが明らかに落ちている」「前にはなかったようなミスが増えた」「やたらイライラするようになった」などの変化が多く見られます。このような仕事ぶりや性格の変化に気づいた時には、うつ病の可能性を疑い、家族などに連絡したほうが安心です。 もしも社内に診療所があれば、ぜひ相談するようにしましょう。

また家庭でも「食べる量が減った」「お酒の量が増えた」「ぼーっとしている時間が増えた」「いつもの趣味に興味をなくしている」などの変化が見られます。特に男性は、女性ほど自分のつらさを他人に語らないぶん、アルコールでまぎらわそうとする人が多いものです。 それがますます判断力を鈍らせ、最悪の場合は自殺の実行などにもつながってしまいます。

いずれにせよ「なかなかとれない慢性的な疲れ」に加えて、精神状態の変化も見られた時には、うつ病の可能性を疑うことが非常に大切です。