HOME 疲労をもたらすさまざまな病気 パソコンやスマホの使い過ぎによる「VDT症候群」

パソコンやスマホの使い過ぎによる「VDT症候群」

パソコンやスマホに長時間触れる人が増えた今、「VDT症候群」に悩む人が急増しています。目の疲れや肩こり、腕のしびれや腰痛など、情報端末の使い過ぎが原因で起こる症状を総称したものです。 機械から逃れられない現代男性は、ぜひ日ごろから対策をとるようにしましょう。

もっとも多いVDT症候群は、目の疲れ!

VDT症候群 VDT(Visual Display Terminal)とは、パソコンやスマホなどの情報端末を指します。たとえば職場で数時間以上パソコンの画面に向き合い、家や電車ではスマホのゲームにいそしみ…という生活を続けている人は、VDT症候群の症状が出始めているかもしれません。

中でも、もっとも多いのが「目の疲れや痛み」です。これは目の酷使が主な原因ですが、軽度であれば目を休めることで回復するものの、悪化すると慢性的に症状が続く「眼精疲労」という状態になる可能性もあります。また目の症状のみならず、めまいや頭痛、吐き気にもつながりますので注意が必要です。

対策としては、まずパソコンやスマホの画面から出るブルーライトを、専用のメガネなどでカットします。また時々目を画面から離して遠くを見るようにしたり、温冷のタオルを交互にまぶたに乗せたりするのも効果的です。ビタミン入りの目薬をさすのもいいでしょう。

また視力に合わないメガネやコンタクトの利用も眼精疲労の一因になりますので、見直すことも大切です。合わないレンズを使っていると、ピントを合わせるために目に無理な力がかかってしまうからです。何年も同じメガネやコンタクトを使っている人は、ぜひ一度、眼科で視力の点検をしましょう。

また40歳以上の人は、老眼が原因になっていることもあります。老眼(遠視)は、近視と比べると矯正する人が少なく、知らない間に目を細めてものを見るなどして負担をかけている可能性があります。特にパソコン作業をする人は、ぜひメガネをかけるようにしてください。

首や肩のコリ・痛み…首の骨が変形している可能性も?

次に多いのは「首や肩の痛み」です。パソコン作業をしていると、どうしても長時間、同じ姿勢をとってしまいますので、知らない間に首や肩に負担をかけてしまいます。

特に首が前に突き出たような姿勢をとってしまう人が多いため、ひどい場合は首の骨が変形してしまうことも少なくありません。レントゲンを撮ってみると分かりますが、最近は首の自然なカーブが失われる「ストレートネック」の人が増えています。 首のカーブが失われてしまうと、重い頭を支えにくくなりますので、首の痛みや肩こりが起こりやすくなるのです。

これを防ぐためには、何と言っても作業中の姿勢に気をつける必要があります。アゴが前に突き出ないように注意し、猫背にならないよう背筋をなるべく伸ばすようにしましょう。 また少なくとも30分~1時間に1度は手を休めて、ストレッチをすることも大切です。

その他の部位の痛み~早めに整形外科の受診を

VDT症候群には、他にも腰痛や腕の痛み、手のしびれなどがあります。 腰痛を緩和させるためには、まず椅子の高さを見直してみましょう。足が十分に床についていない場合、腰にかかる負担が大きくなってしまいますので、うまく高さを調節してください。 また最近では、腰痛防止のためのサポートクッションもたくさん販売されていますから、それを活用するのも1つの方法です。

一方、腕の痛みや手のしびれが出ている場合は少し注意が必要です。単なる筋肉痛のこともありますが、腕や手は頸椎(首の骨)ともつながっているため、「頸椎症」や「頸椎椎間板ヘルニア」などの可能性もあるからです。 特にビリビリとしたしびれがある場合は、すみやかに整形外科を受診しましょう。

他にも、パソコンの普及で最近増えている病気に「胸郭出口症候群」があります。これは鎖骨あたりの血管や神経の通り道が狭くなってしまうもので、腕のだるさや手のしびれなどが主な症状です。特につり革につかまるような動作をすると腕がだるくなります。 重症の場合は手術がおこなわれることもありますが、多くは姿勢の改善やストレッチなどで対処します。

いずれの部位にしても、深刻化すると治療も大変になってしまいますので、そうなる前に一度整形外科で診てもらうことが大切です。

不眠や抑うつ感などの精神症状も

上記のような身体的な症状のみならず、VDT症候群には精神症状もあります。たとえばイライラ感や不安感、不眠、抑うつ感などです。

考えられる原因としては、「自律神経の乱れ」があります。自律神経とは、主に活動時・緊張時に優位になる「交感神経系」と、休息時に優位になる「副交感神経系」の2つのことで、これらが互いにバランスを取り合うことで心身の健康を保っています。 しかし長時間のパソコンやスマホ利用で、そのバランスが崩れやすいといわれているのです。

特にパソコン画面の発するブルーライトは、私たちが思う以上に刺激が強く、目を通して脳を覚醒させてしまうといわれています。ですから本来なら夕方以降から優位になるはずの副交感神経がうまく働かず、交感神経ばかりが活性化されることがあるのです。 そうなると寝つきが悪くなりますし、精神的にもさまざまな症状が出やすくなります。

これを防ぐためには、情報端末との付き合い方を意識して変える必要があるでしょう。たとえば「夜8時以降は画面を見ない」など、メリハリをつけることです。 漫然と使うのが一番よくありませんので、ぜひONとOFFの切り替えをするようにしてください。