HOME 疲労の基礎知識 お酒とタバコは、疲労を増すだけ!?

お酒とタバコは、疲労を増すだけ!?

男性は、女性と比べると飲酒率と喫煙率が高い傾向にあります。しかし楽しみやリラックスのためにたしなんでいるはずが、実は余計な疲れを招いている可能性もあるのです。

お酒の飲みすぎは、ビタミンBの欠乏につながる

酒の飲みすぎ お酒は「百薬の長」とも呼ばれるように、適量であれば心身をリラックスさせる効果が認められています。しかし実際は、つい適正飲酒量を越えて飲んでしまう人が多く、逆に体に悪影響を及ぼしています。

たとえば年末や送迎会シーズンなどで酒席が続く時には、体の疲れがなかなか取れないと感じる人が多いと思いますが、これには睡眠不足以外にも理由があります。お酒を飲みすぎると、体に必要な栄養素をたくさん消費してしまうからです。

たとえばビタミンB1やビタミンC、ニコチン酸(ビタミンB3)、亜鉛やセレン、マグネシウムなどです。特にビタミンB1とニコチン酸は、アルコールを分解する時に大量に消費されることで知られています。 ビタミンB群には、疲労回復の効果がありますので、飲酒によって消費されてしまうと当然ながら体の疲れはとれにくくなるのです。

このようなことにならないためにも、お酒を飲む人は量をほどほどにとどめた上で、なるべくビタミンB群を積極的に摂取するようにしましょう。ビタミンB群は、レバーや豚肉、豆類などに多く含まれています。

適正飲酒量には個人差もある!

ちなみに適正飲酒量は、ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、焼酎なら0.6合が目安となっています。これくらいの量にとどめれば、体に大きな悪影響を与えることはないでしょう。 ただし「週に2日、休肝日を作る」ことも条件です。休肝日には完全にアルコールを断ち、肝臓を休めてあげましょう。

とはいえ、適正飲酒量には個人差もあります。私たちの体内には、アルコールを分解・代謝するための酵素があるのですが、その量は体質的に決まっているといわれます。つまり酵素の量が多い人ほどお酒に強く、少ない人ほど弱いわけです。

酵素の量は、「少量のお酒ですぐに顔が赤くなるかどうか」である程度分かります。赤くなる人ほど酵素が少ないということです。 ただし飲み続けるうちに体が慣れていき、顔が赤くならなくなる人もいますので、それだけでは確実とはいえません。ちなみに体が慣れたとしても、生まれ持った酵素の量は変わらないため、むしろ「アルコールに弱いのに飲みすぎる」という危険な状態になりやすいといえます。 もともと日本人は、アルコールの代謝酵素が少ない民族です。くれぐれも飲みすぎないように気をつけましょう。

タバコを吸うと、体は疲れやすくなる一方!?

嫌煙の風潮が高まっている今でも、「タバコだけはやめられない」という男性はまだまだ多いようです。しかしストレス解消のために吸っているはずのタバコが、実は体の疲労感をより強くしているのをご存知でしょうか?

まず、ニコチンには覚醒作用があるため、寝付きにくくなることが一因です。実際、一度でも禁煙にチャレンジしたことのある人なら、タバコをやめた後で強い眠気を感じたことがあると思います。それほどニコチンの覚醒作用は強いものなのです。

またニコチンは血管を収縮させますので、本数を吸えば吸うほど血行が悪くなり、肩こりや手足の冷えなどにつながります。そうなるともちろん体調はすっきりしませんし、目の下のクマができやすくなったりして、見た目にも「疲れた感じ」になってしまいます。 実際、長年タバコを吸っている人は、そうでない人よりも外見的に老けやすいというデメリットもあるのです。

さらにタバコの煙に含まれる一酸化炭素は、血液中の酸素の濃度を低くします。つまり体は酸欠状態になりますので、喫煙者は運動をするとすぐに息が上がってしまうのです。 実際、禁煙に成功したとたん「階段を駆け上がっても疲れにくくなった」「スポーツをしても息が上がらなくなった」という人はたくさんいます。 つまりリラックスのために吸っているはずのタバコが、実は疲れを増やしているだけなのです。

禁断症状を軽くするために、禁煙外来の活用も

タバコは、お酒と違って「百害あって一利なし」といわれます。ですから適正本数というものはなく、やめるなら完全にやめなければいけない、というのが定説です。

しかし肺がんをはじめとして、喫煙が原因となるあらゆる病気は、「喫煙年数×1日の喫煙本数」が大きければ大きいほどリスクが上がります。ですから減煙することがムダとはいえません。 いきなり完全にやめるのが難しい人は、せめて本数を減らしてみてください。

また自力でやめられない人は、禁煙外来を利用するのも1つの方法です。「病院でやめられるわけがない!」と思うかもしれませんが、禁煙を邪魔する最大の原因は「ニコチン切れによる禁断症状」ですので、パッチなどでそれを軽減することには大きな意味があります。

また最近では、「チャンピックス」という内服薬も人気を集めています。これはニコチンによる「幸福感」をブロックする画期的な薬で、たとえ禁煙に失敗して1本吸ってしまっても、以前のようなおいしさを感じにくくなるようです。

禁煙外来では、喫煙年数がそれなりに長い人であればほとんどが健康保険の適応となります。ぜひタバコを卒業して、疲れにくい体を手に入れてください。