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「疲労」の正体

「疲労」の正体 少し前のデータですが、15~65歳の男女4000人を対象に行った厚生労働省の調査によると、約60%が疲労を感じており、しかもそのうち37%が半年以上継続している(慢性疲労)であることがわかりました。
現代はストレス社会であり、老いも若きも何らかのストレスを抱えていると言われています。
そして、ストレスは精神的・身体的な疲労に繋がることはよく知られていますよね。
スタミナドリンクの売り上げが増加し、リラクゼーションやヒーリングがブームになるのも、それだけ「疲労」が蔓延しているという照明になるのはないでしょうか。

「疲労」のあれこれ

「疲労」のあれこれ 疲労はまず、末梢性疲労と中枢性疲労に分けることができます。
末梢性疲労は肉体的疲労とも言い、脳以外の部分、例えば重労働や過度の運動によって筋肉が疲弊することから感じる疲労です。
疲労物質と呼ばれる乳酸が生成されることにより頭痛や肩こり、腰痛などが現れます。
原因である乳酸を分解することで比較的簡単に回復が可能です。
中枢性疲労は脳が主に疲労を感じている状態で、ストレスやオーバーワークなどによる精神的な負荷が引き起こすと言われています。

病的な疲労とは?

また、持病の有無によっても疲労は分類されます。
健康な人の場合は生理的疲労と呼ばれ、活動量が度を超した時に起こりますが、休養を取れば自然に回復するレベルであることがほとんどです。
一方、病的疲労は悪性腫瘍や心臓病などの基礎疾患や、うつ病を始めとする精神疾患によるもので、たいてい「全身倦怠感」として症状の一つに挙げられています。
病的疲労は、慢性的な疲労感から軽度の作業でも効率が上がらず、リンパの腫れや発熱などの症状が現れることもあるので、根本的な治療が必要になってきます。

どのような状態を「疲労」というのか

「疲労」は発熱・痛みと並んで人体のアラームと呼ばれていることをご存知でしょうか。
生命維持と健康のために必要な一定のラインを超えると、人間の体は本能的に休息を求めて、何らかの症状が現れます。
それは眠気や倦怠感であったり、イライラや頭痛など人それぞれですが、いずれにしても体が悲鳴を上げているということに変わりはありません。
自律神経失調症もその一つです。
完全に健康を害してしまう前に、体からのサインに気づいてあげてください。

疲労度チェック法

厚生労働省による、労働者を対象とした疲労蓄積度の自己診断チェックリストは発表と同時に大きな反響を呼びました。
サイトへのアクセスが殺到し、一時はサーバーがダウンするほどだったようです。
「カローシ」という日本語が世界的に通用するようになり、働き過ぎで肉体的・精神的な疲労が重なって命を落とすことの異常性が認識されてきたということでしょう。
また、安全衛生法に基づく健康診断においても、メンタルチェックが必須項目として追加されました。
体と心、両方のバランスが取れていることが健康の条件であるという考え方が定着しつつあります。
疲労度のチェックは、厚生労働省以外にもメンタルクリニックなどのサイトで行うことができます。
設問の多くはここ1ヶ月の興味や積極性、不眠や疲れの有無などを「ない・少しある・かなりある・とてもある」の4段階で答えるものです。
もちろん、これらの判定によって即治療が必要なほどの疲労であると判断することはできませんが、肉体的・精神的疲労を自覚するための目安にはなるでしょう。

疲労は気合いでは克服できない

「疲労」には主観が大きく関わっていると言われます。
つまり、他人から見たら明らかなオーバーワークであっても、本人がそれを心から楽しんでいたり、やる気に満ちていると肉体的な疲れを感じないということがあるのです。
代表的な例は、ランナーズハイでしょう。
走り続けることで脳からエンドルフィンという快感物質が生成されますが、このエンドルフィンはモルヒネに似た作用があるとわかっています。
しかし、痛みをブロックする効果が非常に高いため、肉体的には限界であっても走り続けてしまうというこの現象は、疲労を克服しているわけではありません。
また、肉体的な疲労を「気合い」や「根性」で乗り越えようとするのも無理があるでしょう。かつて日本ではよくみられた「根性論」が非科学的・非効率であり、精神的に不健康なものであることは今では常識ですよね。
同様に、精神的にいくら充実していても、肉体の疲労は必ず現れてきます。
実際、何かのきっかけで、精神的な緊張の糸が切れると、一気に体の状態がおかしくなるということはよくあるのです。
末梢性(肉体的)疲労と中枢性(精神的)疲労は別物であるということを忘れないようにしたいものです。

疲労を感じたら休息を取るのが最善の対処法です。
それはわかっていても、休むことに罪悪感を覚える人がまだまだ多いのも事実。
上手に休養し、気分転換をすることで結果的にパフォーマンスが上がるという方向に、世の中の流れも変わりつつありますが、まずは自分なりの疲労回復法を見つけることが大切です。