HOME 「心の疲労」がもたらすもの 「話を聞く」ことは難しい?

「話を聞く」ことは難しい?

冗談のように思われるかもしれませんが、昔「ごもっともダイヤル」という電話サービスがありました。 その番号にかけて、自分の言いたいことや愚痴をぶちまけると、相手(録音音声ですが)が相づちを打ってくれたり、「ごもっともです」と同意してくれるというもの。

サービスである以上当然料金が発生するのですが、当時かなり人気があったそうです。 「誰かに話を聞いてもらう」ことはどんな人間にも必要であると感じられるエピソードですね。

話を聞いてもらいたい!

カウンセラー 昔は僧侶が現代で言うところのカウンセラーのような役割も持っていたと言われています。 そこで話したことはよそへ漏れる心配がないため、檀家の人はもめごとや悩み事をまず檀那寺の住職に相談することが珍しくありませんでした。 キリスト教でも「懺悔室」というものがありますよね。 日常生活(俗世)を超越した存在と考えられていたからこそ、人々は心のよりどころとしたのかもしれません。

女性に比べ、男性のうつ病が深刻化しやすく、自ら命を断ってしまうことが多いのは、悩みや苦しみを他人にうまく話せないから、とよく言われます。 女性は信頼している同性の友人であれば、愚痴程度のことから深刻な悩みまで相談することができるでしょう。

しかし、男性はプライドが邪魔をするのか、それとも自分が弱っていることを認めたくないのか、虚勢を張ってしまうことが多いようなのです。 そんな人こそ、心の内をさらけ出せるカウンセラーを見つけることは大きな救いとなることでしょう。

「聞ける」人になろう!

自分が誰かに話を聞いてもらって楽になった、と言う経験があれば、同じように他人に返してあげたいと思うのではないでしょうか? それでなくても、誰かから悩み事を相談されるのは「信頼されている」と感じられて嬉しいもの。何とかしてあげたい、と張り切ってしまう人もいるでしょう。 しかし、その気持ちが空回りしてしまうこともあるので注意が必要です。

聞き上手は人気者

人間はそれほど自己中心的な性格でなくても、自分の話に興味を持ってもらえ、適切な相づちや同意を得られるとその人に好意を抱くもの。 「話を聞く」ということはそれほど重要なのです。

例えば、身近な人が悩みを口にした時に、お説教をしたり求められてもいないアドバイスをするのはカウンセリングにおいては最大のNGとされています。 相手は「ただ話を聞いてもらいたい」と言う気持ちで話しているのに、「こうした方がいい」「そんなことじゃダメだよ」などと返されたのでは、「この人にはもう話すまい」と思われてしまうかもしれません。 「どうしたらいいと思う?」と聞かれてから初めて答えるようにしましょう。

自分の話ばかりでは嫌われる?

仲間内でおしゃべりを楽しんでいる時、どんな話題でも自分の話に転換してしまう人がいますよね。 本人は上機嫌ですが、周囲はあまりいい気持ちはしないでしょう。 「この人はこういう人だから」と割り切ってもらえればよいのですが、だんだん避けられるようになってしまう可能性もあります。 時には他人の話にも耳を傾けてみましょう。 「他人の話を聞けないと、自分のことも聞いてもらえない」のです。

他人の話を聞く技術とは

ビジネスにおいても「他人の言うことを聞かなかったら負け」と言われることがあります。 相手がどのように考えているかを理解した上で話を進めなければ、よい結果を出すことは難しいとされているからです(決して言いなりになるということではありません)。

悩み事やごくプライベートなことを話してもらうには、相手に対する信頼が重要になってきます。 カウンセラーはこの「ラポール」と呼ばれる信頼関係を短時間のうちに構築するスキルを身につけています。たとえ初対面であっても「この人になら話しても大丈夫」と安心して話ができるのはこのためです。 逆に、緊張やプレッシャーを感じさせるようなカウンセラーには話がしづらいかもしれませんね。

簡単な「聞く」スキル

聞き上手な人は「聞くのが9割、話すのは1割」と言われます。 つまりほとんどの場合相手の話を聞いていること。 それも、ただ聞いているのではなく適当な相づちを打ったり先を促したりして、気分良く話せるような状況を作り出してくれます。 これが無意識にできるようになれば「話を聞いてくれる人」として引っ張りだこになるかもしれませんね。

基本は相手の目を見ること。 常に見つめていなくても、相手の眉間の辺りを見るようにすると視線は自然に合うものです。 また、話の合間に軽く目線を外すようにすると、相手も緊張しすぎず話すことができるでしょう。

相づちのコツは「ハ行」の感嘆詞を活用することです。 「はあ」「ひえー」「ふーん」「へー」「ほう」と言った具合ですね。この相づちがあるかないかで、相手の気分はかなり変わるもの。 「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」「聞いてもらえている」とお互いに確認することにもなり、話がはずむきっかけとなります。 ただし、この「ハ行」、口先だけで言うとウソっぽく、無関心に聞こえることもありますので、注意しましょう。