HOME 自分でできる回復法 最近注目のクエン酸

最近注目のクエン酸って?

昔から、「疲れた時や力をつけるには酢がよい」と言われています。
サッカーやバスケットなど、長時間走りっぱなしのスポーツでも、休憩時間にスライスしたレモンを食べたりしますよね。
その理由は、柑橘系の果物や酢に含まれるクエン酸が疲労回復に効果があるからです。
健康維持のためにも欠かせないと言われるクエン酸は、最近ではサプリメントや機能性飲料にも多く配合されています。

クエン酸の働きあれこれ

クエン酸 クエン酸は有機化合物の一種で、さわやかな酸味があることから食品添加物としても多用されています。
レモン味のガムやキャンディ、ジュースなどでもおなじみですね。
口当たりがさっぱりしていて、唾液や胃液の分泌を促進することから、食欲を増進させ、胃腸の動きを活発にしてくれます。
また、痛風にも効果を発揮することは有名です。
痛風は「風があたっても痛む」ためこの名があると言われる全身の関節炎の総称で、血中の尿酸という物質が高値になることで起こります。
クエン酸は尿のPHを下げ、アルカリ化させて尿中に尿酸を排出しやすくする働きがあり、「クエン酸ナトリウム・クエン酸ナトリウム合剤」として痛風の治療に使われています。
さらに、尿のアルカリ化とともに尿中のカルシウムと結合するので、尿路結石の予防にも役立ちます。
いずれも男性にとっては身近な疾患なので、ぜひ日頃から食事に取り入れるようにしてくださいね。

高い殺菌・消毒作用も

酢に殺菌・防腐作用があることはよく知られています。
また、日本では昔からおにぎりやお弁当の白米に梅干しを一粒入れる習慣がありますが、これらは酢や梅干しに含まれるクエン酸の働きによるものです。
最近では、合成洗剤が使えない場所や、介護や赤ちゃんの世話に使うものの清掃・消毒にも使われていることからも、その効果のほどがうかがえるでしょう。

クエン酸が疲労回復に効果的なわけ

クエン酸が疲労回復に効くと言われるのには、いくつかの根拠があります。
まず、疲れにくい体作りや疲労の解消には不可欠なビタミンB群の吸収を促進してくれること。
併せて摂取するとエネルギー生産の効率が良くなることが知られています。
また、キレート作用と呼ばれる金属イオンと結合する性質により、カルシウムや鉄、亜鉛などの活力アップに必要なミネラルを包み込んで酸化しにくくします。
吸収力を上げてくれるのも嬉しい効果ですね。
そして最も注目すべきは、「TCAサイクル」と呼ばれるクエン酸回路の活性化です。
体内に取り入れられた栄養素は消化によってブドウ糖となり、酵素やビタミンなどのサポートを受けてエネルギーを作り出します。
しかし、運動などによって体に負荷がかかっていると、ブドウ糖の分解がうまくいかず、「焦性ブドウ糖」となって筋肉に蓄積されます。
この焦性ブドウ糖の一部は疲労のもとである「乳酸」に変化します。
つまり、クエン酸回路の働きが低下することで疲労物質が体にたまってしまうと言えるのです。
疲労物質がたまると、さらに焦性ブドウ糖が生成され、クエン酸回路に負担がかかる…という悪循環を断ち切るきっかけとなってくれるのがクエン酸。
焦性ブドウ糖をスムーズに分解し、乳酸の生成を抑制するという効果があるため、疲れを感じたら早めに摂取すると疲労回復によいと言われるのです。
さらに近年の研究によって、乳酸もまたエネルギーの素として変換する作用があることもわかってきました。

どんな食べ物に含まれている?

クエン酸は中国語では「枸櫞酸」と言います。
枸櫞とは中国産のレモンの一種。その名のとおり、昔から柑橘系の果物に存在することが知られていたのですね。
レモンやミカンの他には、ナシ類や梅、キウイやアンズ、スモモなどに豊富です。
米酢や黒酢を始めとするいろいろな酢にももちろん多く含まれています。

ダイエットにも効果あり?

疲労回復効果など、体にはいいこと尽くしのように見えるクエン酸ですが、よく言われるダイエット効果はどうでしょうか。
クエン酸は糖や脂肪酸が分解される過程で作られます。いくつかの酸に変化したのち、最終的にミトコンドリアに入り、クエン酸回路で再びクエン酸に変換されますが、この一連の過程は、エネルギーを全身に供給する働きのあるアデノシン3リン酸という物質が運動などによって不足しているときのものです。
アデノシン3リン酸が十分に存在するときは、ミトコンドリアから細胞質に逆戻りした上、脂肪酸に合成されてしまいます。
つまり、普通の状態であればダイエット目的でクエン酸を摂取したとしても、体脂肪として蓄積されてしまう恐れがあるのです。
疲れに効くだけでなく、ダイエットもできるならラッキー!とばかりに、過剰にクエン酸を摂取すると、むしろ逆効果になるかもしれないということですね。

サプリメント信奉者によく見られますが、「これだけを服んでいれば安心!」という魔法のような成分は存在しません。
適度な運動に加え、バランスのよい食事を心がけることが、疲労対策を含め、健康のためにはもっとも効果的なのです。